
シャチには地震予知能力がある?

2015年5月25日 東京湾に5頭ほどのシャチの群れがやってきました。
東京湾にシャチの群れがやってくるのは前代未聞だと専門家は言います。
そして同日5月25日、埼玉県を震源とする最大震度5弱の地震が関東一帯で発生しました。
東京で震度4以上の地震が発生したのは、2015年ではこの日が初めてでした。
地震とシャチの出現には何か因果関係があるのでしょうか。
シャチを含むイルカ類は、人間が感じることのできる五感(触覚、視覚、聴覚、味覚、嗅覚)の他にさらに二つの感覚を持つといわれています。
そのうちの一つが、「エコロケーション」と呼ばれ超音波などを駆使して物体の場所や形を認識する能力です。
そしてもう一つが、「磁気感覚」です。
磁気感覚とは、地球がもつ地磁気を感知することによって自分が向いている方角などを感知する能力です。
いわば生物の中に方位磁石があるようなイメージです。
この「磁気感覚」は人間にとってはなじみが薄いものかもしれません。しかし海を航海するような海洋生物たちの多くはこの「磁気感覚」を持っているのではないかと言われています。
そして、この「磁気感覚」こそが、今回のシャチと地震の関係を解明する手掛かりになるかもしれません。
というのも、地震が発生する際、地磁気に影響を与えることが分かっているからです。
地震が来る直前、岩石には強い圧力がかかっており、その影響で「ピエゾ磁気」と呼ばれる磁力が発生しています。地震が発生することにより、これまでかかっていた岩石の圧力が解放されその「ピエゾ磁気」が急激に弱くなります。その結果、地震発生前後で地磁気が大きく変化するのです。
2011年3月8日 東日本大震災の3日前、三陸海岸に348頭のクジラが座礁しました。この原因も磁気感覚の異常によるものではないかと言われています。
今回の東京湾へのシャチの出現も、もしかすると磁気感覚の異常が原因なのかもしれません。
